レトルトカレー見聞録

カレー好きの筆者(アラフォー子持ち)が世に存在する様々なレトルトカレーを実食しその魅力を発信しつつダイエットを綴ります

猫日記第1回:吾輩は人である

 

吾輩は人である。齢はアラフォー。人と猫の数が等しいこの家において、働きながら人間のこどもの世話をしつつ猫たちと共生している。

 

 

 

我が家には3頭のにゃんがいる。皆宦官手術を受けた勇士たちである。ネット上にはびこる多頭飼いの性別相性組み合わせでは最悪と言われる、成人男子3頭である。しかし幸いにもにゃんたちは常に一緒にいるほど仲が良く、時には狭いスーツケースに無理やり入る中国のおじさんかの如く小さな篭にひしめき合いながら昼寝をしている。

 

 

 

悲しいかな、宦官であるのに忠誠心はなく、それどころか我々人間を下僕か何かかと思っているらしい。夜な夜な聞こえる飯飯コール、もらえれば用済みとばかりに人々の前から姿を消す様はまるでゲロ処理のためだけにパーティーに奴隷を狩り出していた古代ローマ人のようだ。実際、定期的に吐き出されている食事を片づけていると、鳥の羽を喉に押し込みながらえずいているあの貴族の絵画が思い出される。

 

 

そんな我々人間が唯一形勢逆転できるのが年に一度のワクチン&健康診断の日である。

 

 

 

人間に換算すると齢31の長男はそのずば抜けた適応能力から診察台上で香箱座りをする根性を見せつける一方、人間年齢44歳の三男は興味からあちこちを嗅ぎまわり終いには逃走を図る。24歳、ピチピチの若者である次男はまさに現代っ子だ。限られた小さな世界で自分のお気に入りの仲間たちに囲まれて生活するのを好むため、病院は苦行でしかないのだ。

 

 

 

長にゃん・三にゃん

 

 

 

 

 

恐らく、幼少期によく風邪をひいていたことから頻繁に連れて行かれていたのがトラウマなのだろう。現在6.5kgにまで成長したきかん坊の次男坊はソフトキャリーに穴をあけメッシュ部を切り裂くほどの強い拒絶を示す。しかし彼らの健康を考えるとここで妥協してはいけないのだ。

 

 

 

ある日の動物病院待合室、吾輩は黒いにゃんを連れた女性の隣に座っていた。先に呼ばれた彼女が医師から治療方針の説明を受けている。聞こえてくるのは、辛い延命治療ではなく緩和ケアを中心とした看取りの説明であった。

 

 

 

 

 

吾輩の目頭が熱くなったかと思うとポトリと落涙した。夜中に走り回って我々を睡眠不足に陥れようとも、壁に爪を立て借家の壁紙に穴を開けようとも、全ては健康でいるから出来ることなのだと実感したと同時にいつか来る別れを想像してしまったのだ。キャリーの中では諦めて大人しくなった次男が香箱座りでこちらを見ていた。

 

 

 

吾輩は人である。猫3人1の四兄弟を育てながら働くワーキングマザーである。今日も息子たちの為、朝から職場でブログ更新に勤しむ。

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