レトルトカレー見聞録

カレー好きの筆者(アラフォー子持ち)が世に存在する様々なレトルトカレーを実食しその魅力を発信しつつダイエットを綴ります

15日目:明治 銀座カリー辛口

レトルトカレー見聞録第15回、今回紹介するカレーは「明治・銀座カリー辛口」です。

 

「明治」「銀座」このワードのみに着目すると、ガス灯が街頭を照らす中馬車が日本の将来を担う元薩摩藩士を乗せ東京府を駆け巡るという文明開化後の日本の情景が瞬時に脳裏へと浮かび上がります。

 

何を隠そう筆者、今や遠い昔に近現代史に没頭し当時の世界情勢や大日本帝国繁栄の軌跡などを個人的に研究していた過去があります。最終的にはアメリカの大学にて法学を専攻するという矛盾に富んだ選択をし、そして現在レトルトカレーを考察するという何とも一貫性のない生き方をしている筆者、明るい未来を見据えてただひたすらに純粋に邁進した当時の日本人にはただただ敬服するばかりです。そんな当時の日本人に愛された洋食カレーを再現した今回のカレー、その歴史の重みと共にしかと受け止めます!

 

では、パッケージ考察。

 

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大正から昭和初期、日本が大戦景気に沸き国内経済が大きく成長し庶民も贅沢を享受していた時代。たまの贅沢は銀座の洋食店ビフテキやビイフシチューを嗜みに行くことだった時代に、庶民の手の届く贅沢として存在していたカリーにもまたビイフが使用され高級感を漂わせていました。

 

パッケージを一目見ただけで感じ取ることが出来る高級感と、同時にこの贅沢を庶民が享受できるほどに当時の日本が潤っていたことを彷彿とさせるパッケージ。モガ・モボが闊歩する東京府銀座の街の当時の活気が手に取るように伝わります。

 

では、考察。

 

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まず特筆すべきは外箱に使用されている素材です。

 

先程ノスタルジックな妄想に耽ってしまった結果全くその特徴をお伝えすることが出来ていない事実に驚愕し背面はしっかりと考察しようと心に誓った筆者、裏返す際その外箱の手触りに更なる衝撃を受けたのでした。明らかにいい素材。ただし何なのかは分からない。でも絶対に駄菓子屋のココアシガレットでは体験することのできないA5ランクの素材。拘りますね、明治様。視覚と触覚の両者に働きかけることで味覚における満足度が高まることを想定しての企業戦略でしょうか。

 

そして原材料。Top3を飾るのは牛肉・ソテーオニオン・炒めたまねぎと具材の充実さが感じ取れる構成となっております。チーズやソースを使わないのはあくまで当時の再現に拘った明治様の心意気なのですね。昭和初期、後に起こる世界的大恐慌に端を発する満州事変からの太平洋戦争という、その後日本を襲う混沌とした時代の雰囲気を微塵も予感させない束の間の享楽的時代に庶民の心を掴んで離さなかった洋食カレー、「明治・銀座カリー辛口(180g)」、

 

いざ、実食。

 

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薄切りビイフを使うあたりよく研究されているカレーだという印象です。たまねぎとの組み合わせは和洋食ハヤシライスを思い起こさせますが、だからこその洋食カリーなのだと納得。一口目からしっかりとした辛さが伝わりますが、同時に丁寧に炒り込まれた小麦粉ベースのルーからまろやかさを感じ「古風な辛さ」を楽しむことが出来ます。しっかりとその姿を残し具材として存在しているたまねぎ、豊富な薄切り牛肉。このカレーが当時の日本人を虜にしていたことは間違いないでしょう。何せ現代においても飽食時代の日本人をも虜にしているのですから。

 

ところでこの銀座カリー、外箱をどれだけ考察しても「当時のレシピを再現」という言葉が見当たりません。きっと開発担当者たちは自らの舌のみを頼りにこのカレーを生み出したことでしょう。未知の味である昭和初期のカリーをこれほどのクオリティーで再現した明治様には日本のトップ食品メーカーとしての意地を感じます。

 

製造元のヤマモリ株式会社はエスニック好きの筆者愛用メーカーであり増々の好意を感じる中、スパイスメーカー大御所を未食という事実に気が付きある種の焦りを感じながら次なるカレーを求め行く…

 

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